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純愛。最愛の人へ。

 「僕は君が好きでした。本当に大好きでした。笑った時に頬に浮かぶ笑窪も、白魚のような美しい指も清流のように流れる髪も、そのどれもを愛していました。勿論内面だってきちんと見ていましたよ。帰り途、偶然見つけた子猫に1時間以上もかまけていた愛らしさ、寝る前は大事なぬいぐるみに話しかける子供らしさ。だけど、その奔放かつ純粋な心の裏側に数えきれない苦しみがあることも知っていました。陰のある君の伏し目がちな笑顔が、僕は何よりも好きでした。3年間、君だけのことを思い続けていました。君だけのことを見続けていました。どんな手を使ってでも、いつかは僕だけのものにしたかった。愛しています。愛しています。君は僕の世界でした」

ギシッ。

「だけど、君にはもうすでに、誰よりも愛している人が居たのですね。自分を犠牲にしてまでも、守りたいと思える人が。全てを捧げても共に歩みたいと思える人が。僕は、僕は全て知っています。君が彼を愛し、手を繋ぎ、抱きしめ、キスしたことを。勿論それが悪い事なわけはありません。僕は何よりも君を愛しているのだから、君の幸せを祝福しなければなりません。世界の幸せは、僕の幸せなのだから。そうです。そうです。そうなのです。君のことを、僕は、愛してるのですから」

ギシッ。ギシッ。

「……。けれど、僕には耐えられなかった。君が誰かの物になってしまうことが。僕の傍から離れて行ってしまうだなんて、考えたくもなかった。僕は悩みました。何度も、君の恋人を殺そうとしました。ああ、君を殺すという選択肢は勿論ありませんでしたから安心してください。だって君は、僕の世界なんですから。君が死んでは、僕の世界も滅びてしまいます。まあ、それは置いておいて。とにかく僕は君の恋人が憎かった。憎くて憎くて仕方がなかった。だけど、気づいたんです」

ギシッ。ギシッ。ギシッ。

「きっと、僕は」

ガタッ。コツ、コツ、コツ。

「僕は、夢を見ていたんです。長い長い夢を」

トンッ。

「君への思いは、僕にとってとても美しい夢でした。君を本当に好きだったとき、君と話せて、君を笑わせることが出来てとても幸せでした。僕は、とてもきれいな夢を見ていたんです。だけど、夢にはいつか終わりが来る。僕も、もう夢から目覚めなければ」

ゴトッ。

「結婚式は、明日でしたか。おめでとうございます。僕はきっと泣いてしまうからいけないけれど、いや、そもそも君が僕を招待してくれるかも怪しいのですが、とにかく僕は行けないので先に祝辞を述べさせていただきます」

ポタッ、ポタッ。

「君が次に目を覚ます時、ここであったことは忘れているでしょう。もし忘れられなくても、愛しい人と歩む時がそれを忘れさせてくれる筈です。だから、今だけは、今だけは僕を見ていてください。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします」

ギシッ。

「……。ああ、ありがとう、ありがとう。ありがとうございます。本当に君を好きになれてよかった。誰よりも、何よりも。君のことが、大好きでした」

ギィ。

「さようなら」


ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ

「ああああああああ愛していたんだああああああああ誰もよりも愛していたんだああああああああああ僕はっ僕はああああああああああああああああああああ」

ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴトッバシャッ
佐々木 | 短編 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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